敵情の観察(ニ)

■【古典・歴史】メールマガジン
■【古典・歴史】YOUTUBEチャンネル

現代語訳

敵の使いがへりくだっていて敵軍が守備を固めているようなら、それは守ると見せて実は攻撃の準備をしているのである。

敵の使いが強硬な態度で、敵軍が先駆けているなら、それは攻撃すると見せかけて退却の準備をしているのである。

隊列から軽戦車が抜けて側面についているのは、陣容を整えているのである。

それほど行き詰ってもいないのに講和を求めてくるのは、なんらかのはかりごとがあるのだ。

走り回って兵士を整列させているのは決戦の準備である。

進んだり退いたりを繰り返すのは、こちらを誘い出そうとしているのである。

原文

辭卑而益備者、進也、辭疆而進驅者、退也、輕車先出居其側者、陳也、無約而請和者、謀也、奔走而陳兵車者、期也、半進半退者、誘也、

書き下し

辞の卑くして備えを益す者は進むなり。

辞の強くして進駆する者は退くなり。

軽車の先ず出でて其の側に居る者は陣するなり。

約なくして和を請う者は謀なり。

奔走して兵を陣ぬる者は期するなり。

半進半退する者は誘うなり。

現代語訳・朗読:左大臣光永

■【古典・歴史】メールマガジン
【古典・歴史】YOUTUBEチャンネル