二重スパイ

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現代語訳

敵の間者が自軍の中に入り込んで諜報活動をしている時は、これを厚遇して、こちら側につかせる。そして反間…二重スパイに仕立てる。

反間…二重スパイを得ることができれば、敵国の地元民や役人にも内通者を育てられるので、敵国に偽情報を流すことも容易になる。

そうすればいよいよ敵国に間者を潜入させる。

このように、郷間、内間、反間、死間、生間…五種類の間者の違いは、君主たるもの、熟知しておかなくてはならない。

すべての諜報活動の起点は反間…二重スパイを得ることであるから、反間はよくよく厚くもてさないといけない。

原文

必索敵人之間來間我者、因而利之、導而舍之、故反間可得而用也、因是而知之、故郷間内間可得而使也、因是而知之、故死間爲誑事、可使告敵、因是而知之、故生間可使如期、五間之事、主必知之、知之必在於反間、故反間不可不厚也、

書き下し

必ず敵人の間の来りて我を間する者を索(もと)め、因(よ)りてこれを利し、導きてこれを舎せしむ。故に反間得て用うべきなり。是れに因りてこれを知る、故に郷間・内間 得て使うべきなり。是れに因りてこれを知る、故に死間 誑事を為して敵に告げしむべし。是れに因りてこれを知る、故に生間 期の如くならしむべし。五年の事は主必ずこれを知る。これを知るは必ず反間に在り。故に反間は厚くせざるべからざるなり。

現代語訳・朗読:左大臣光永

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