究極の【形】は【無形】

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現代語訳

軍隊の態勢の究極的な形は【無形】形をあらわなさいということになる。

形をあらわさずにいれば、スパイも窺い知ることができず、知恵のある者も予測できない。形によって勝利したのであるが、民衆はそれを知ることができない。

人はみなわがほうの勝利の形を知るといっても、どうやって勝利を収めたのかという、その形を知ることは無い。

その勝利のありさまは繰り返しの効かない一度きりのことであって、敵の形に応じて変幻自在なのだ。

原文

故形兵之極、至於無形、無形、則深間不能窺、智者不能謀、因形而錯勝於衆、衆不能知、人皆知我所以勝之形、而莫知吾所以制勝之形、故其戰勝不復、而應形於無窮、

書き下し

故に兵を形すの極は、無形に至る。無形なれば、則ち深間も窺うこと能わず、智者も謀ること能わず、形に因りて勝を錯くも、衆は知ること能わず。

人皆な我が勝の形を知るも、吾が勝を制する所以の形を知ること莫し。

故に其の戦い勝つや復さずして、形に無窮に応ず。

現代語訳・朗読:左大臣光永

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