五種類の火攻め

■【古典・歴史】メールマガジン
■【古典・歴史】YOUTUBEチャンネル

現代語訳

およそ火攻めには五種類ある。

一 人を直接焼き殺すもの
ニ 食糧・物資などを焼くもの
三 武器や車両などを焼くもの
四 倉庫を焼くもの
五 橋などの施設を燃やして通行の便をうばうもの

火攻めを行うには事前にその下地が整っていなければならない。火を起こすには時があり、日がある。時とは、乾燥している時である。

日とは、月が天体の箕(き)・壁(へき)・翼(よく)・軫(しん)にある日である。これらは風の吹く日だからだ。

原文

孫子曰、凡火攻有五、一曰火人、二曰火積、三曰火輜、四曰火庫、五曰火隊、行火必有因、煙火必素具、發火有時、起火有日、時者天之燥也、日者月在箕壁翼軫也、凡此四宿者、風起之日也、

書き下し

孫子曰わく、凡そ火攻に五あり。

一に曰わく火人、二に曰わく火積、三に曰わく火輜、四に曰わく火庫、五に曰わく火隊。

火を行うには因あり、因は必ず素より具う。火を発するに時あり、火を起こすに日あり。

時とは天の燥けるなり。日とは月の箕・壁・翼・軫に在るなり。

凡そ此の四宿の者は風の起こるの日なり。

現代語訳・朗読:左大臣光永

■【古典・歴史】メールマガジン
【古典・歴史】YOUTUBEチャンネル