敵の虚を衝く

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現代語訳

進撃すれば敵がどうしても防ぐことができないのは、敵が油断している隙を突くからである。 退却する時に敵が追撃できないのは、こちらの動きがすばやく、すぐに距離が開いてしまうからである。

もしこちらが戦いを望むなら敵が土塁を高くして堀を深く掘って守りに徹しようとしたところで、どうしても戦わざるを得なくなる。救助のため出てきたところを攻撃するからである。

こちらが戦いを望まないなら地面にただ区割りをしてそれを守るだけでも、敵は攻撃してこれない。敵の関心を違う方向にそらすからである。

原文

進而不可禦者、衝其虚也、退而不可追者、速而不可及也、故我欲戰、敵雖高壘深溝、不得不與我戰者、攻其所必救也、我不欲戰、畫地而守之、敵不得與我戰者、乖其所之也、

書き下し

進みて禦ぐべからざる者は、其の虚を衝けばなり。

退きて追うべからざる者は、速やかにして及ぶべからざればなり。

故に我れ戦わんと欲すれば、敵 塁を高くし溝を深くすと雖も、我れと戦わざるを得ざる者は、其の必ず救う所を攻むればなり。

我れ戦いを欲せざれば、地を画してこれを守るも、敵 我れと戦うことを得ざる者は、其の之く所に乖けばなり。

現代語訳・朗読:左大臣光永

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